【都庁DXアワード2024】DXの取組事例 ~第4回~
東京都
都庁が進めるDXの目的、それは都民サービスの質を向上させることです。東京都では、それぞれの都政現場において創意工夫を凝らし、DXによる生産性の向上や都民サービスの改善に取り組んでいます。 こうしたDXへの挑戦を都庁全体で後押しする組織文化を醸成するために、優れた実践を共有し、横展開する場。それが「都庁DXアワード」です。 |
東京都デジタルサービス局では、都政現場で生まれたDXの取組が集結するイベント、「都庁DXアワード2024」を6月に開催しました!参加者には2分30秒の限られた時間で31件の素晴らしいプレゼンを実施していただきました。本サイトをご覧になられている皆様にも都のDXの取組を知っていただきたく、全5回(予定)にわたって記事を掲載します。
今回は第4回目として、以下の6案件についてご紹介させていただきます!
都道管理における防災DXの推進(建設局)
【概要】
カメラ(+AI)・センサー等で落石、冠水、斜面変状等を一元的に把握し、規制情報等を道路利用者へ速やかに提供するシステム
本年1月、道路斜面等の監視カメラの画像やウェアラブルカメラによる被災現場からの情報等を集約し、関係者間で共有できるプラットフォームを構築
これにより、被災状況をリアルタイムで情報共有し、いち早い被害把握と迅速な初動対応が行える仕組みが整備
【課題・解決への取組】
<課題>
これまで都民からの通報があると職員が現場に出動し、携帯やメールで事務所に報告してきたが、被災現場から事務所、事務所から本庁へと報告や確認を順次行っていく流れは、災害時の情報伝達としては課題があった。
<解決への取組>
管理情報を一元管理・クラウド化して情報共有できるフラットフォームを構築
【取組の成果】
・これまで専用端末でしか見られなかった監視カメラ映像をスマホで確認可能となった。
・現場からも被災情報をスマホで登録可能になった。
<導入効果例>
・監視設備情報の遠隔確認 → 被害状況の確認が約2時間短縮(2月5日雪害対応)
・被災情報をスマホで登録 → 通行止め情報の提供が約1時間短縮
【プレゼン資料】
【担当】
建設局道路管理部保全課(S0000406@section.metro.tokyo.jp)
DX活用による島しょ港湾の防災対応力強化(港湾局)
【概要】
港湾施設等の構造物の諸元や被災状況の情報を集約し共有する「離島港湾情報プラットフォーム」を構築するとともに、被災状況を把握するためのデジタル技術活用の取組を実施
【課題・解決への取組】
<課題>
島しょで災害が発生した場合、遠隔地であることから被災状況等をリアルタイムに入手することが困難
<解決への取組>
被災後の状況把握の迅速化・効率化のため、主に以下の取組を実施
(1)主要17港にライブカメラを設置(Youtubeで一般公開)
(2)被災後の港の状況確認を想定したドローン実証実験を実施
【取組の成果】
・「離島港湾情報プラットフォーム」を構築し令和5年9月に運用開始した。
・Youtubeで公開しているライブカメラ映像は、(R6.6時点で)総視聴回数約280万回を達成し、離れた場所からも島の状況を確認できることが安心にもつながっている。
・ドローン実証実験では高精度で状況把握できることを確認
<今後の展開>
・「離島港湾情報プラットフォーム」を運用しつつ、より使いやすくなるよう改良等を実施
【プレゼン資料】
【担当】
港湾局離島港湾部計画課(S0000528@section.metro.tokyo.jp)
研修受講もスタイル変革!(会計管理局)
【概要】
LMSシステムを活用して、「いつでも、どこでも、何度でも」受講できる会計実務研修を実施。
【課題・解決への取組】
<課題>
・会計実務研修は、全庁の会計事務初任者を対象として、年度当初に複数回実施している。これまで、対面とオンライン方式を併用していたが、日時固定であり、繰り返し受講ができないという課題があった。
<解決への取組>
・研修の映像化とオンデマンド配信を計画し、配信ツールとして、受講状況が把握でき、研修内容の向上に繋げられる「東京都版LMS」を選択した。
・令和5年度、「会計実務研修 資金前渡」1科目について、試験導入を行った。
【取組の成果】
・ライフやワークに合わせた柔軟な受講が可能になった。
・従来型研修受講者に加えて、172名の受講があり、欠席者の受講や、繰り返し学習という潜在的なニーズに応えることができた。
【プレゼン資料】
【担当】
会計管理局管理部会計企画課(S0000539@section.metro.tokyo.jp)
駅消火設備維持管理業務へのDX活用(交通局)
【概要】
都営交通が管理する地下鉄全102駅の消火設備管理にデジタル端末(スマホ1台)を活用することで現場確認業務の効率化と異常時対応能力の向上を実現した。
【課題・解決への取組】
<課題>
各駅の構造は複雑であり、消火設備の設置箇所が駅ごとに異なるため、数十年前に作成された図面を見ただけでは、迷わずに現場で該当箇所を確認・点検することが難しい。誰でも効率的に現場確認できる方法を模索していた。
<解決への取組>
全102駅の消火設備図面(数千枚)を、駅ごとに現場の注意事項に関する暗黙知も含め、1枚に整理・集約してデータ化することで、スマホでいつでも確認できるようにした。
【取組の成果】
現場確認のたびに必要な図面を探して印刷し、紙を見て経路を確認しながら作業していたものが、スマホさえあれば、迷わずに現場確認が行えるようになった。また、消火設備障害の初期対応の迅速化及び外注化が可能になった。
<今後の展開>
改修工事等に合わせ逐次更新(アップデート)しながら、暗黙知の技術継承に活用する。
【プレゼン資料】
【担当】
交通局建設工務部工務事務所設備担当
ドローン等を活用した水管橋の点検(水道局)
【概要】
・水道局では、約2,700橋に及ぶ水管橋や橋梁添架管を管理している。令和3年に発生した和歌山市内における六十谷水管橋の落橋事故等を機に、一部の水管橋において、従来の点検歩廊や船上等からの目視による点検に加え、ドローンを活用した点検を導入した。
【課題・解決への取組】
<課題>
・一部の大型水管橋においては、点検歩廊から目視できる範囲が限られていることから、吊材等の高所に位置する部材の点検時に死角が生じやすい。
<解決への取組>
・ドローンに着目し、令和4年度に試行検証を実施した(3橋)。
・試行検証の結果を踏まえ、ドローンによる点検の導入対象を選定し、点検を実施した(9橋)。
・ドローンで撮影した映像と位置情報を結びつけることで、画面上の視点を自由に移動しながら点検結果をチェックができるように工夫した。
【取組の成果】
・ドローンによる点検を活用することで、高所にある部材や死角になりやすい部材についても、損傷の有無等を適切に確認できた。
【プレゼン資料】
【担当】
水道局給水部配水課(S3000025@section.metro.tokyo.jp)
360度カメラを活用した施設配置確認ツール(下水道局・東京都下水道サービス株式会社)
【概要】
下水道局と政策連携団体(東京都下水道サービス株式会社(TGS))は 「東京下水道グループ」として一体的に下水道施設の維持管理を行っている。 日頃より下水道局職員とTGS社員が施設の現場状況を確認し、連携して点検等に伴う設備停止・切替作業の計画立案や設備故障への対応を行っているが、広い施設内の確認には、関係者間での詳細な情報共有や移動時間等の負担があった。そこで机上にいながら従来の平面図に対し直感的・立体的に施設の配置状況を確認できるツールの作成に取り組んだ。
【課題・解決への取組】
<課題>
・2次元の平面図や写真のみでは施設配置状況を正確にとらえるには限界があった。
・平常時の施設の配置状況を視覚的・立体的・網羅的に確認できる資料がなく、設備故障等の対応に時間を要する。
・施設の配置状況を正確に確認するには、その都度、図面資料の確認や図面の運搬などの時間的負担が大きい。
<解決への取組>
水再生センター内をくまなく撮影した360度カメラ画像をつなぎ合わせ、施設の配置状況を直感的・立体的・シームレスに確認できるツールを制作した。
【取組の成果】
・平面図にリンクした箇所の360度カメラ画像を表示させることで、関係者間の正確な情報伝達や共通認識が得られ、業務の精度向上が図れた。
・執務室にいながら施設の配管や設備の配置状況を正確に確認でき、図面なしで軽微な状況確認が可能となり、業務の効率化を実現できた。
・現況と本ツールで確認できる平常時の状況(360度カメラ画像撮影時点)の比較ができ、迅速な作業計画の立案が可能となり、業務のスピードが向上した。
【プレゼン資料】
※DXアワード当日は動画が埋め込まれた資料をもとにプレゼンしておりました。興味のある方は是非ともご覧ください(リンク)
【担当】
下水道局施設管理部施設管理課(S4000019@section.metro.tokyo.jp)
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