【都庁DXアワード2024】DXの取組事例 ~第2回~
東京都
都庁が進めるDXの目的、それは都民サービスの質を向上させることです。東京都では、それぞれの都政現場において創意工夫を凝らし、DXによる生産性の向上や都民サービスの改善に取り組んでいます。 こうしたDXへの挑戦を都庁全体で後押しする組織文化を醸成するために、優れた実践を共有し、横展開する場。それが「都庁DXアワード」です。 |
東京都デジタルサービス局では、都政現場で生まれたDXの取組が集結するイベント、「都庁DXアワード」を6月に開催しました!本サイトをご覧になられている皆様にも都のDXの取組を知っていただきたく、全5回(予定)にわたって記事を掲載します。
今回は第2回目として、以下の6案件についてご紹介させていただきます!
建築計画概要書の電子閲覧(都市整備局)
【概要】
年間1万5千件の閲覧がある建築計画概要書について、オフィス・自宅等での閲覧や窓口での手続時間の削減などの都民サービス向上を目的に、オンライン等で閲覧できるシステムを構築した。
【課題・解決への取組】
・システム導入前は、原本閲覧であり来庁が必須であった。閲覧手続や閲覧情報の転記等の窓口での対応に時間がかかることにより、長い待ち時間が発生していたため、閲覧希望者から改善を求められていた。
・建築計画概要書の電子化を行うとともに、建物の住所や位置情報と紐付けることで、地図情報からの対象特定やキーワード検索などができる直感的に分かりやすいUIを実現し、いつでもどこでも簡単に建築計画概要書のオンライン閲覧等が可能となった。また、オンライン上での概要書データのダウンロードやシステムと接続した窓口専用端末からの概要書の写しの交付を可能にした。
【取組の成果】
オンライン閲覧の導入により、いつでもどこでも建築計画概要書を閲覧することが可能となった。また、窓口にオンライン閲覧ができる専用端末を設置したことにより、導入前と比べ、窓口での閲覧待ちが削減された。利用者からも「都庁にいかずに閲覧できるようになってよかった」 、「概要書のコピーが交付され、転記作業をしなくてよくなった」等の好意的な評価が多数寄せられている。
今後は、都民への周知を徹底し、システムの利便性を都民に浸透させていく。
【プレゼン資料】
【担当】
都市整備局市街地建築部建築指導課(S0000166@section.metro.tokyo.jp)
東京都ツキノワグマ目撃等情報マップ(環境局)
【概要】
PowerBIを活用したツキノワグマ目撃等情報マップのダッシュボード化
地元住民や登山者、関係機関などから寄せられたツキノワグマと思われる目撃や痕跡等の情報を公開し、注意喚起を図る。
【課題・解決への取組】
これまでPDFで公開していた目撃情報の一覧と地図について、一画面にまとめて表示するツールであるダッシュボード(PowerBI)を活用することで、より見やすく、目的別(痕跡、目撃、捕獲等)に知りたい情報にアクセスしやすい仕組みを構築した。
【取組の成果】
・検索や絞込み機能を導入することで、利用者にとって使いやすいマップになった。
・システム入力により更新情報が一括反映されるため、職員の作業負荷が低減した。
・今後は、アンケート機能を追加し、機能の拡充等を図るなど不断の見直しを継続。
【プレゼン資料】
【担当】
環境局多摩環境事務所自然環境課(S0200281@section.metro.tokyo.jp)
HELLO! TOKYO FRIENDS(メタバースを活用した観光PR)(産業労働局)
【概要】
海外の若年層・ファミリー層をメインターゲットとし、人気の高いゲーミングプラットフォーム「ロブロックス」内に東京の歴史や文化などの魅力を体験できるメタバース空間を構築するとともに、空間での各種体験と連動したAR Webアプリを開発し、リアルに東京を訪れるモチベーションを創出した。
【課題・解決への取組】
<課題>
海外の潜在旅行者にメタバース空間等を体験してもらい、訪都旅行者の増加に繋げること。
<取組>
ゲームの仕様上データ容量の制約がある中で、いかにユーザーが楽しみながら東京の魅力を感じてもらえるかという観点から、ユーザー視点に立ってコンテンツを制作。(ユーザーテスト結果の反映・観光地の魅力を訴求できる3D設計・東京を想起させるコレクションアイテムやアバター用の装飾アイテムの製作等)
【取組の成果】
・メタバース空間およびAR Webアプリ合計で約147万UUを獲得(46日間)。
【プレゼン資料】
【担当】
産業労働局観光部企画課(S0000571@section.metro.tokyo.jp)
定期券の購入をWEBでスムーズに!(交通局)
【概要】
お客様の利便性の向上と定期券発売所の混雑緩和のためにスマホ・PCから事前に定期券購入に必要な情報を入力して予約し、配信されたQRコードを駅の自動券売機にかざして定期券を購入する
【課題・解決への取組】
<事業の背景> 年度初め、通学定期券の購入で定期券発売所が混雑していた。
<課題> 利用を促すためのお客様への周知方法。
<事業のターゲット> 定期券をお買い求めのお客様(ピーク時約5000人/日)。
<解決への取組> HPの案内をお客様視点でシンプルにし、わかりやすいデザインにした。
【取組の成果】
定期券発売所の1時間以上の混雑から自動券売機での即時発行を実現
<今後の展開>
・利用率の向上と購入申込書のペーパーレス化の更なる促進
・予約サービス利用率100%(お客様のご意見を踏まえて、サービスを改善する)。
【プレゼン資料】
【担当】
交通局電車部営業課(S2000018@section.metro.tokyo.jp)
快適な駐車空間の確保に向けて(警視庁)
【概要】
パーキング・チケット発給設備は、短時間駐車の需要に対応するため、時間を限って同一車両が引続き駐車できる道路の区間である「時間制限駐車区間内」に設置されている(東京都内に568基設置 年間利用者約250万人(令和5年度末現在))。この設備に、キャッシュレス決済機能をはじめとする新機能を追加し、利便性向上と業務の合理化を推進させ、より快適な駐車空間の確保を目指す。
【課題・解決への取組】
・パーキング・チケット発給設備の手数料支払いは、これまで100円・500円硬貨と千円札のみ対応であり、これらの貨幣を持っていない場合は利用できない、あるいは両替してから使用するなど不便な状態であった。これを解決するため、キャッシュレス決済対応の発給設備を導入し、手持ち現金にとらわれない多様な支払い手段を可能とし、都民サービスを向上させた。
・パーキング・チケット発給設備の不具合は、これまで管理事業者による巡回業務や利用者からの通報により発見され、復旧までに時間を要していた。これを解決するため、発給設備の状態をリアルタイムで把握できる集中管理システムを導入し、不具合発生の場合に速やかな復旧を可能とした。
【取組の成果】
・キャッシュレス決済(電子マネー・クレジットカード)導入開始後約1ヶ月の実績を見ると、3割程度のキャッシュレス決済利用があった。今後キャッシュレス決済導入の周知や設備増設により、キャッシュレス決済の利用はより一層増加すると思われる。
・パーキング・チケット発給設備から発信されるデータを集中管理システムで管理することで、故障等が発生しても利用者からの発見前に、先行的に機器確認や補修を行うことが可能となった。
・今後は、QRコード決済などの多様な決済手段の機能追加、ホームページ等による空車情報の提供を計画し、更なる利用者の利便性向上を目指す。
【プレゼン資料】
【担当】
警視庁交通部駐車対策課(S5000015@section.metro.tokyo.jp)
“難しい”をもっと楽に簡単に♪(東京消防庁)
【概要】
QRコードを活用した届出サポートアイテムの開発により、わかりにくい届出を整理してシンプルに案内し、スムーズに行政手続きを行える環境を整備する。
【課題・解決への取組】
消防関係法令・条例には、建物の面積や用途に応じて、防火管理や消防設備に関する届出が義務付けられている。建物関係者は届出書類を前にして説明を受けるが、一般の方にとって法令上の必要事項を整理して捉えることが難しく、手続を容易に完結できないことが課題であった。そこで、需要の高い届出をジャンルや優先順位に基づいて視覚情報として1枚にまとめ、QRコードで届出書類にアクセスできるアイテムを開発した。
【取組の成果】
実証実験の結果、年代に関係なく理解し易く届出し易いという結果が出た。消防職員も説明しやすくなり、業務の効率化につながった。
今後は、HP上のデザインをアイテムと同じにして、HPの使い勝手を改善するとともに、電子申請へのジャンプ、モバイルフレンドリーな仕様など進化系アクセシビリティアイテムへの挑戦を考えている。
【プレゼン資料】
【担当】
東京消防庁 赤坂消防署(akasaka@tfd.metro.tokyo.jp)
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